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「持論」 … 『石川保険医新聞』第431号主張欄 

 保団連、保険医協会、広汎な国民各層などからの反対の声にもかかわらず、この4月から後期高齢者医療制度が実施される。この制度については、@75歳以上になったら強制加入A年金から保険料天引きB保険料を滞納したら保険証取り上げC保険で受けられる医療の制限、など受診者の立場からの問題点が指摘されている。
 今ここで、医療機関側の問題点を考えてみよう。
 まず、対象高齢者の慢性疾患(糖尿病、脂質異常性、高血圧性疾患、認知症等)を診ている診療所(一部の病院)は、患者の同意を得た上で、他の医療機関での診療スケジューアル等を含め、定期的に診療計画を作成し、総合的な評価や検査等を通じて患者を把握し、継続的に診療を行うことを評価するとある。(後期高齢者診療料600点/月)
 診療計画を作成とあるが、相当に細かく面倒であり、また院内処方の場合は、お薬手帳などの記載も必要とのこと。前回改定時、歯科において患者への説明文書作成で、歯科医が大変難儀した問題が、もろに今回、医科にふりかかることになる。

後期高齢者医療制度  患者・医療機関に負担大 直ちに制度の中止を

 後期高齢者診療料の600点とは、定期的な検査をすればすぐ足が出る点数で、あたかも高齢者には「余計な検査をするな、診察とクスリさえ出していればよいのだ」と強制されている感じだ。
 結果的に、重大な医師の裁量権の侵害である。さらに投薬は出来高払いとは、製薬メーカーに配慮した政策との印象である。
 また、この後期高齢者診療料の算定は、主病を診ている一医療機関に限るとされ(主治医制)、保険証一枚で全国どこの医療機関も受診できる、世界的にも評価の高い患者のフリーアクセス権を侵害する可能性がある。
 最後に、この主治医制を採用する医療機関は、相当の研修が必要という。これもわれわれ開業医にとっては、かなりの精神的・物理的負担である。
 そもそも、今回の主治医制のようなものを取らなくても、日本の開業医師は、今まででも十分主治医としての役割を果たしてきたのである。その意味で、今回の高齢者医療制度は、患者、医療機関双方にとってデメリットが多く、この制度の中止、撤回を強く求めたい。

■本稿は2月中旬に執筆されたものです。本紙発行日の3月15日ごろには、詳細が明らかになっていると思われます。

<石川保険医新聞 第431号より転載>


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