|

「持論」 … 『石川保険医新聞』第438号主張欄
産科、小児科に端を発する医療崩壊は、地方、都会を問わず、今、わが国全体に急速に広がりつつある。ここへ来てようやくマスコミの論調も、医療現場の深刻な状況を認識し、その解決を共に考える姿勢へと変わりつつある。
「医学部の定員増」「産科、小児科への財政的支援」「臨床研修医制度の見直し」など、国はいくつかの施策を取りまとめているが、いずれも即効性どころか、数年先の展望さえ開くものとはなっていない。
財政的中立を国是とする財務省は、病院の疲弊をようやく認める一方で、開業医の収入を誇大広告する。何としても悪役を作らなければ、医療福祉への支出圧力ばかりでなく、これまでの政策ミスの追求にさえ、さらされかねない。そう彼らは恐れている。
|
低医療費政策が招いた医療崩壊
患者の人権守るため、今こそ、抜本的改革を |
ほんの数年前まで、マスコミはこぞって言ってきた。「医療の効率化さえ図れれば、医療の質を落とすことなく、医療費は下げることができる」という夢物語だ。こうした低医療費政策の下、開業医も確実に体力を奪われてきた。医師に、勤務医も開業医もない。あるのは、患者のために必要な医療を必要なだけ届ける医師の姿だ。
聖域無き構造改革という名の下に、これまで毎年二千二百億円の医療費自然増が抑えられてきた。その中で、一体誰が犠牲になったのか。「雇用保険、介護保険料の引き上げ」「生活保護老齢加算の廃止」「厚生年金国民年金保険料の引き上げ」「生活保護母子加算の廃止」・・・、一体誰のための改革なのか。どうして弱者にほど痛みを強いるのか。民無き改革は改革に値しない。
今こそ、声を上げるときだ。声なき声を拾い上げ、国民と共に闘うのは、保団連・保険医協会の責務だ。
協会は、社会保障のあるべき姿を「人権」という視点から問い直す作業を続けてきた。医療福祉関係者、法律家、マスコミの力を結集し、主役である国民の人権を守るために、医療再生への抜本的改革を今語ろう。一人ひとりの力は小さいが、決して無力ではない。問われているのは、われわれの覚悟だ。
|
| <石川保険医新聞 第438号より転載> |
|
|
|