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「持論」 … 『石川保険医新聞』第451号主張欄 (2009年11月号)

 医療安全調査委員会の議論は、今、中だるみ状態である。政治家、厚労省、患者、臨床医師の四者の利害がぶつかり合う中、その方程式を解くのは至難の業だろう。
患者の家族として、診療の結果としての死に対し、真実を求めるのは当然の権利であり、感情である。一方で、診療結果に対して過度に司法罰を意識せざるを得ない医療者の姿もまた、異常であろう。それでは、現場の医師は萎縮診療に陥り、日本の医療の未来は暗澹たるものとならざるを得ない。
十月十一日、十二日の両日、埼玉県和光市において、国立保健医療科学院の主催する「死体検案研修」が行われた。今年で五回目を数える研修会は、実際の死体検案に立ち会う臨床医師たちの意欲と知識を高めるためのものだ。全国から百二十人を超える現場の医師が集った。文字通り老若男女を問わず、熱心な質問が飛び交った。
今、日本全国に法医学の専門資格を持つ医師は、わずか百数十人しかいない。都道府県で行政監察医制度を持つのは、わずか五都府県のみである。理想的には、専門の監察医がすべての異状死体を検

足りない法医の専門家
日本の検死制度
検案システムの貧困

案し、必要に応じて解剖を行うことがベストだ。しかし、現実には日本の現状は、それにはほど遠い。
 研修会に参加して、調査委員会の議論と日本の検案システムの貧困は、同じところに根ざしていると強く感じた。もし、すべての都道府県に行政が主体となった監察医制度が存在すれば、それはもう立派な第三者機関である。その効用は、単に医療過誤の中立的判断にとどまらない。日本の死因統計そのものが、ずっと正確で信頼のおけるものへ変化していく可能性をも秘めている。 
 検死システムを支えるために、長期的視野に立って、制度そのものを議論すること。中期的には、法医の専門家をもっとたくさん育てること、そのためには多くのポストを作ることが喫緊の課題だ。そして、最後に、それまでの間、検死制度を現場の臨床医が支えるための環境整備だ。研修機会の提供、予算の裏付け、行政、特に警察との連携・・・。
 現場の問題を集約し、よりよい検死制度の確立のために協会と保団連のやるべきことは多い。

<石川保険医新聞 第451号より転載>


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政・権・交・代
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介護報酬の大幅引上
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