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「人体の不思議展」の開催中止を求める理事会声明
 「人体の不思議展」はこれまで、地方の新聞社などマスコミ関係の主催により全国各地で開かれ、8月13日から金沢21世紀美術館での開催が予定されています。
 「人体の不思議展」では、プラストミックと呼ばれる技術で防腐処理された人体が、全身の皮膚を剥がれた状態での様々な姿勢で(スポーツのポーズなど)、あるいは各臓器ばらばらに展示されるなどしています。
 展示される人体標本は、国内法の適用を受けない中国人のものと言われており、仮に、日本国民が医学教育用に献体の意思を示したとしても、このような標本化と展示は「死体解剖保存法」「医学及び歯学の教育のための献体に関する法律」により実質的に不可能です。
 しかも、展示された人体について「すべて生前からの意志に基づく献体によって提供された」と広告されていますが、「献体」された人体が特殊な防腐処理を施され、かつ、上記のような姿で展示されることについて、本当にインフォームド・コンセントされたのかどうかも不明確で、人権上、倫理上、大きな問題を有していると指摘されています。
 この展示については、こうした観点から、これまでも多くの団体から疑問視する声が上がっており、各地で県や市、教育委員会、医師会、歯科医師会などが後援団体を降りるという状況も生まれています。日本医師会、日本歯科医師会、日本看護協会等は後援を取りやめています。
 遺体であっても、人間としての尊厳が守られ、丁重な扱いを受けるのが当然です。人の遺体を防腐処理した上でコマーシャルベースに乗せるべく展示することなどは、非人間的、反人権的行為と言わざるを得ません。
 当協会は、人権と医の倫理を尊重する医師・歯科医師の団体として、このように人権(人道)上、倫理上、多くの問題を有する「人体の不思議展」の中止を求めるものです。
2010年2月16日
石川県保険医協会理事会
(事務局)〒920−0902 金沢市尾張町2丁目8番23号 太陽生命金沢ビル8階
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【参考論文】「人体の不思議展」の倫理的問題点について(末永恵子氏・福島県立医科大学)


 
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