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「犯罪捜査のプロを指導監査で活用する」に厳重抗議
 厚生労働省が実施した「政策コンテスト」において、現職の医療指導管理官が「犯罪捜査のプロを指導監査で活用する」旨の提案を行ったことが明らかになりました。健康保険法に基づく指導、監査を「犯罪捜査」と同一視する提案がなされたことは、保険医の団体として見過ごすことのできない許しがたいものです。石川県保険医協会では理事会名で、次の通り抗議声明を発表しました。
<抗議声明>
医療指導管理官による「犯罪捜査のプロを指導監査で活用」提案に抗議する
2010 年10 月5日
石川県保険医協会理事会
 7月22 日、厚生労働省は、その全職員を対象に実施した「政策コンテスト」の結果を公表した。応募総数81 件のうち、第一次選考を通過した7件が二次選考の対象とされたが、その中には、現職の医療指導管理官による「保険医療指導監査部門の充実強化」が含まれていた。この提案は最終選考において表彰外となったものの、その内容は「権限の相違はあるものの、悪を正し刑罰を課す点においては共通点があることから、詐欺罪に対するプロである警察庁や警視庁からの出向者の受け入れ」を提案するものであった。健康保険法に基づく指導、監査に犯罪捜査の手法を持ち込むべきという提案が、現職の医療指導管理官から出されたことに強く抗議する。
 健康保険法第73 条に基づく「指導」とは、行政手続法に基づく「行政指導」であり、その第32 条第1項では「行政指導に携わるものは、いやしくも当該行政機関の任務または所掌事務の範囲を逸脱してはならない」「行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されることに留意しなければならない」と規定されている。また、指導の方針として通知されている「指導大綱」においては「保険診療の取扱い、診療報酬の請求等に関する事項について周知徹底させることを主眼とし、懇切丁寧に行う」とされている。「行政指導」である健康保険法の指導を「犯罪捜査」と同列視することは、法令遵守義務のある公務員の立場を逸脱するものである。
 また、健康保険法第78 条に基づく「監査」は、行政機関に対して調査、質問、検査の権限を付与したものであるが、その第2項(第7条の38 第3項の準用)において、その権限は「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」と明記されている。行政機関による質問検査権の行使と「犯罪捜査」とは明確に区別されなければならないのである。およそ犯罪捜査とは無縁の「指導」を犯罪捜査と同列視するのみならず、行政調査と犯罪捜査の区別すらできていない提案がなされたことについて、断じて容認することはできない。
 石川県保険医協会は、この間、東海北陸厚生局石川事務所と懇談の機会を持ち、そのたびに、保険医の人権を無視した指導、監査が現場で横行しないよう強く訴えてきた。また、「犯罪捜査」まがいの指導、監査により保険医の人権を侵害することは、憲法第25 条に規定されている国民の「健康権」の侵害にもつながるものである。
指導大綱、監査要綱の見直しが検討されている中で、こうした事態が起こったことに、強い憤りと怒りを禁じえない。厚生労働大臣に対し選考経過と責任の明確化を強く求めるとともに、厳格な対応を改めて要求する。



 
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