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<日本歯科医学会会長の「補綴の保険外し」発言に対し、抗議声明を発表>

日本歯科医学会会長の「補綴の保険外し」発言に対し、抗議声明を発表

 報道によれば、日本歯科医学会江藤一洋会長は、7月12、13日に開催された第49回日本歯科医療管理学会学術大会の「歯科再生の道をさぐる」と題した講演で、補綴を保険給付から除外しない限り、歯科医療費の総枠を拡大することは難しいのではないかとの趣旨の発言を行いました(『医歯薬新報』2008年8月25日、『日刊 歯科通信』2008年9月2日)。

 国民皆保険制度を否定するに等しいこの発言は、国民歯科医療を守る医療人として、また保険医として、看過できません。保険でできる医療の拡充を目指し活動している石川県保険医協会は9月12日、日本歯科医学会会長による「補綴の保険外し」発言に対する抗議声明を地元マスコミ各社に発表しました。

 補綴とは、歯が損なわれた箇所やとその機能を入れ歯や差し歯等によって修復・整形することをいいます。もし、入れ歯が保険から外されて自費になったらどうなってしまうのでしょうか?

 ある高齢の患者さんに「もしも入れ歯が保険から外されて自費になったらどうする?」と尋ねると、「わしにもの(・・)を食べるなということか」と即応されました。まさにこの言葉に国民の切実な願いが込められています。

 現在は歯根の消毒治療を保険で治療し、奥歯の金属冠を約3,000円ほどで入れることができます。しかし補綴が自費扱いとなれば、保険点数を準用したとしても1万円以上(場合によってはこの数倍の設定もあり得ます)の負担となってしまいます。そうなれば一部の経済力のある患者さんを除き、治療を断念する患者さんが多くなるでしょう。

 「保険で良い歯科医療を」全国連絡会が2006年8〜9月にかけて行った「歯科医療に関する患者アンケート」結果によると、「歯科医療に対する要望」は「保険のきく範囲をひろげてほしい」が79.1%と最も多くなっています。また「歯科の自費診療について」は回答者のうち8割以上が「新しい技術も健康保険で診てほしい」と答え、「自費診療の拡大はしないでほしい」も5割以上の方が選んでいるとおり、お金の心配なしに歯科医療を受けられることが国民の願いなのです。

 石川県保険医協会は、全身の健康と密接にかかわる歯科医療の充実を求めるとともに、国民が安心して「保険で良い歯科医療」が受けられるよう、今後も国民と共同した取り組みを進めていきます。




 
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