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 会長談話 「総選挙を前にして」
2012 年11 月25 日
石川県保険医協会
会長 西田直巳

 今度の衆議院総選挙は、意味が重い。日本の将来、特に子や孫の世代にどのような社会をもたらすのかを考えながら投票すべき選挙である。近年、日本の政治は、一貫して新自由主義の考え方に基づいてきた。それがもたらしたものは、国の責任を後退させる規制緩和であり、大企業の優遇と中小企業の弱体化、国民の貧富の格差の拡大であった。社会保障費の高騰が国の財政を圧迫するとの理由で、無理な国民医療費の抑制を行い、障害のある人には自立支援の名の下に保障を後退させ、生活保護への過剰なバッシングを生んだ。消費税増税を柱とする税と社会保障一体改革法案は多くの国民が反対であったにもかかわらず、圧倒的多数で可決され、多大な民意が犠牲となった。

 選挙では、消費税増税を進めるのか歯止めをかけるのか、原発を止めるのか続けるのか、TPP に参加するのかしないのか、などいくつかの明確な争点が存在する。TPP 参加や税と社会保障一体改革を押し進めれば、今の国民皆保険制度は崩壊する危険にさらされる。

 しかしもっと大切なことは、この国の社会を今後どのような形に変えてゆくのか、全体像をどう描くかである。少なくとも戦後日本の「憲法」は、戦争を放棄すること、主権は国民にあること、国民の社会保障の責任は国が負うことを明確に規定してきた。その流れを法律改正という手段で、事実上壊されていく様を私たちは目の当たりにしてきた。今回の選挙結果次第では、法律よりももっと上位にある憲法でさえ脅かされる危険性がある。未来にわたり、平和で国民生活が等しく健康で文化的な国を目指すのか、戦争もいとわず、自己責任とさらに厳しい競争社会を国民に強いる国にするのか、私たちは重大な岐路に立たされている。



 
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