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<要望書>

厚生労働省医療課長  原  徳寿 様  
         主査     佐方信夫 様
         主査     堀岡伸彦 様
胃瘻カテーテル交換法の運用に関する要望書
 日頃は厚生行政におきまして、並々ならぬご尽力をいただいておりますことに、心より御礼申し上げます。
 私ども石川県保険医協会は、千名余の会員を擁する石川県の医科・歯科開業医の団体であり、日々、在宅医療や小児科医療、障害を持つ人々の医療に直接携わっております。
 この度の診療報酬改訂におきまして、医科―処置―8/18 J043―4 胃瘻カテーテル交換法200点を設けていただきましたことは、臨床の現場の問題にまことに適切にご配慮いただいたものと、厚く感謝申し上げる次第でございます。
 ただ、留意事項「胃瘻カテーテル交換法は、十分に安全管理に留意し、交換用胃瘻カテーテルを画像診断等を用いて行なった場合に限り算定する。なお、その際行なわれる画像診断等の費用は、当該点数の算定日に限り、1回に限り算定する。」の「画像診断等」につきまして、在宅医療の現場から要望がございます。
 在宅医療では、バルーン型交換用胃瘻カテーテルが用いられている場合が少なくなく、それらは往診医の手によって在宅で交換されております。しかも、一昨年よりバルーン型交換用胃瘻カテーテルは添付文書によると1ヶ月に1回交換することになっております。画像診断等がレントゲン造影検査や内視鏡に限定されますと、毎月患者を病院に搬送した上で交換処置を行う必要が出てまいります。
 このことは、在宅医療の趣旨にそぐわないばかりか、患者家族の経済的心身的負担と医療費の点から決して現実的とはいえません。また、小児では腹壁が脆弱なため、バルーン型交換用胃瘻カテーテルを使わざるを得ず、もし交換のためにレントゲンや内視鏡を使用しなければならないのであれば、前者では毎月の被爆の問題、後者では全身麻酔下での内視鏡検査など、大変な問題を抱えてしまうことになります。
 もちろん、最近の新聞報道などで見受けられます、胃瘻カテーテル交換時の腹腔内誤挿入に起因する痛ましい死亡事故などを鑑みれば、レントゲン造影検査や内視鏡といったある意味過剰な確認方法に限定なさるのも、重々承知でございます。しかし、大事なことは、正しく胃内に挿入されたことを何らかの方法で「確認したかどうか」であります。このことは、過去の腹腔内誤挿入事故の医療裁判でも指摘されている点です。
 交換用胃瘻カテーテル後の確認は、胃内容物の逆流の確認によるスカイブルー法などでも十分安全に行うことができます。ぜひ、画像診断等を「確実に胃内に留置されたことを確認する方法」と広義に解釈できるよう、なにとぞご検討の程、よろしくお願い申し上げます。
 どうか私ども在宅医の意見をお汲みいただきますよう、要望させていただくものです。
2008年4月1日
石川県保険医協会
会長 西田直巳


 
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