医療福祉部では、5月に「いしかわ医療的ケア児支援センターこのこの」センター長の中本富美さんに取材を行い、「石川保険医新聞」7月号に記事を掲載しました。ホームページではWEB特別編として、「聞き書き」調での報告をご紹介します。ぜひ記事とあわせてお読みください。

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 さぁ、さぁ、皆さんお入りになってください。ねぇ。素敵でしょ。医王病院の地域医療連携室の横の部屋なんですけど、お母さんが、たくさん素敵な写真持ってきて、この前、金沢市役所で写真展したんですけど観に行かれました?

 今度は県立図書館で写真展する予定なんですけど、それまでね、この部屋で飾ってるんですよ。みんな、いい顔してるでしょ。可愛いですよねぇ。

このこの写真展in石川県立図書館は8/18~8/31まで開催されます。

 そう、そう、いしかわ医療的ケア児支援センター「このこの」はですね、2022年4月にできて、1年1ヶ月ほど経ちましたかね。2021年9月に医療的ケア児支援法が施行されて、都道府県にひとつ支援センターをつくることになって、「このこの」もできたんですよ。

 えへへ。「このこの」の由来ですかぁ。その質問が一番嬉しいんですけどね。ありがとうございます。この子の、いのち。この子の家族。この子の生活。この子の選択。一人一人のかけがえのない子供の、この子の応援をしていこうと、「この子の」で、「このこの」なんです。素敵でしょ。最近、私、このこのさんて言われてね。ね、いいでしょ。あの子でもなく、その子でもなく、「このこの」なんです。

 石川県には医療的ケア児が181人いると言われていて、全国に約2万人いると推察されているのでそんなもんでしょうかね。だんだん増えていっていると言われているんです。

 センターとしてやらなければいけない事が決まっているわけではないんですけども、やっぱり医療的ケア児のお母さんが、支援者につながることは大変なことで、繋げることが一つ。ワンストップで、学校や福祉、医療につなげることですかね。あと、支援者がそんなに多くはなくて、学校とか、支援者の研修会をする。政策に対して、なにが必要かを一緒に考えていくことでしょうか。当事者、家族といっしょに考えていけば大丈夫と思ってやってます。

 石川県は、ショートステイやデイサービスなど場所としては充実しているほうかなと思いますが、ニーズにマッチしているかはまだまだかもしれませんね。医療的ケア児の歯の検診とか、予防とかもまだまだだと思いますし、訪問診療してくださる医師も少ないですし、訪問看護師や訪問リハビリテーションもまだまだ経験が足りない状態ではないかとも思いますね。

 医療だけでなく、教育とか、遊びとか、体験とか、まだまだ足りてないことがたくさんあると思いますよ。

 この前ね、民生委員さんの勉強会開催してね。みんな70歳ぐらいかな、エプロンしてたりとかね。地域の中に、身近なところに、医療的ケア児がいるとかのお話しですけど、500gぐらいで生まれて、育つんですよぉとか話してね。このペットボトルと同じぐらいですよみたいな感じでね。

 自分の身近にこんな子がいる。なにかできるんじゃないかと思ったとか、医ケア児の家のゴミ出しを手伝ったよとか。この地域に、この子がいることを知るというのは大事だと思うんですね。心をよせる一瞬があることは、大事ですよね。専門職だけは、ダメだと思うんですよね。この子のためにね。

 医療的ケア児がいて、その家族がいて、専門職がいて、そして地域の人がいて。この子に関心を持てば、地域が変わるんじゃないかなと思うんですね。いいことだけじゃないけど、みんなで引き受けていけば、いいよねってことかなと。

 なんかこう、知るほどに、関わるほどに、遠のく感覚があるんですよね。知らないことばかりだなぁと思うんですよね。いろいろなことを、持ち寄れればいいなぁと思うんですよね。持ち寄っていけば、きっといい感じになると思うんですよね。子供って、問題とかでなくて、希望なんですよね。みんなで希望を語ろうじゃないかが、いいですよね。ねぇ。私いいこと言ってるかな。

 知的に問題のない、気管切開している医療的ケア児とかもいるんですよね。普通の保育園で、子供のなかで育っていってほしいですよね。いろいろなバリエーションがあればいいですよね。こんな子がいるんだな。ふーん。チューブひっぱったらダメなんやとかね。知らないですからね。この子の、大事な器械やぁとかね。子供はすごいですよね。普通に仲良くなりますよね。

 いま、やっぱ、お母さんが社会と繋がっていくことは大事なんですよね。保育所の入園の相談が半分ぐらいあって、多いですよね。就労の仕方、お母さんの働き方も、いろいろな形があるようになればいいですよね。お父さんも育児休暇とれるようになってるし。この子たちは、社会を変えていくんじゃないかなと思いますよね。社会保障としてね、普通に生きていける社会を創っていきたいですよね。

 相談件数は、ですね、えっとね。1年で、30人くらい。研修会を4件。このこの写真展とか、兄弟児の語りとかね。関係機関との連携で25件いってますね。ねぇ、兼任でよくやってるでしょ。

 そうなんですよ、兼任で、ひとりセンター長なんですよ。なので一緒に働いてくれる社会福祉士を絶賛募集してまぁす。楽しく勉強できますよぉ。ご連絡お待ちしてます。今日はありがとうございましたぁ。 (文責:医療福祉部取材班)

※同センターの活動など詳細は公式ホームページをご参照ください。

いしかわ医療的ケア児支援センターこのこの