村田 祐一(金沢市・むらた小児科)

昔話から、小学高学年の時の担任の女先生は時々「ディベート」の時間を作って自由討論をさせてくれた。
あまりご自身の意見は前に出さず結論も出さないようにして各自に考える事を促していた。
通っていた十一屋町小学校は全国有数のマンモス校で一学年15クラス、一クラス50数名であった。
よくぞ、沢山の児童を抱えた中、先生方には上手に指導して頂けたと感謝です。
現在に戻る。ここ十年の日本の針路を見ていると次第に戦争のできる体制に舵を切っているように思うのは私だけでしょうか?
機密保護法を成立させ国民の知る権利を制限して政府の都合の悪いことは伝えず消去し、マスコミも大本営発表を伝えるだけ、本来の「悪政をチェックする」勤めを放棄している。人事権を振りかざし司法、立法をも手中にして「もりかけ、さくら」などと好き放題。奢れる平家の状態です。
中国の古典では時の政権は「天命」により任されている。不都合があると天災などで警告を発し、対応が悪ければ政権交代につながるとか。
さて現在の日本はどうだろうか?わが身を守るため「忖度」が横行して多くの公務員は国民よりも上司の指示しか見ていない。おかしいと思っていても指示された行動しかできない?良心との葛藤を経て自殺。国民も生活に追われて、ゆっくり考えることも叶わず、「お上」の言われるがままに…。こんな国に誰がしたのだろうか?
昨年暮れから始まったCOVID-19に対する各国の対応は?致死率が際立って低いドイツでの対策はどうだろう。日経新聞は以下のように伝えている。「感染スピードを鈍らせるには学校閉鎖や大規模集会の禁止しかない。電気やガスは供給できるが、航空・鉄道は滞り、医療はパンク。消毒液やマスクの調達も難しくなる。感染終息には3年かかるだろう」まるで現状分析のようだが、実は7年前の2013年1月に連邦議会(下院)が来るべき感染症に備えてまとめた報告書だ。この報告書から実に周到な準備を始めていたので現在の致死率の低さがあることが判る。さらに、モニカ・グリュッタース文化相は「アーティストは今、生命維持に必要不可欠な存在」と断言。大幅なサポートを約束した。メルケル首相の演説では医療従事者に対する感謝を伝えた後の「また、普段あまり感謝されることのない人にも感謝の言葉を送らせてください。
スーパーマーケットのレジ係や、商品棚を補充してくれる方…彼らは現在、もっとも困難な仕事の1つを担ってくれている方々です。
仲間である市民のために、日々、働いてくれてありがとうございます。そして、私たちの生活を維持してくれてありがとうございます。」ここまで周到な準備の後にこんな国民目線の対応をされたら国民は一致団結してコロナと戦うと思います。
日本の現状は残念な状態ですが、でも何とかしたい気持ちでいっぱいです。 もっと情報を公開して検査体制を整備して敵コロナの存在を知り、国産のアビガンを開業医レベルでも使わせてください。これだけで新型コロナ感染症にはインフルエンザより少し強い敵として対応が可能になると思います。民間の力を信じてください。このコロナ禍はある意味、「戦争の疑似体験」を我々に強いているように思います。父母が体験した悲惨な世界大戦では大本営発表に踊らされ戦争になだれ込み、異議を唱えると「非国民」で抹消された。ドイツでは戦後、繰り返し戦争について反省し、家庭でも様々な話題を話し合っているといいます。東電の記者会見に9年余り休まず通い続けているおしどりマコ・ケンの一人、マコさんは日本の原発情報を日本人よりも知っているドイツ人について驚いていました。「アンダーコントロール下にあり安全です」の言葉で誘致が決まったオリンピック、原発事故隠しでもあります。嘘で塗り固められた忖度の国、日本。今後、皆様はどのように考え行動するのでしょうか?

2020年4月14日記

早朝散歩で見つけました。コブシの花がきれいです。はと シジュウカラが縄張り宣言 パラボラアンテナのような蜘蛛の巣 いのちの輝き!一所懸命に生きています。(4月15日、村田祐一撮影)