2021.9.13. 文と写真 むらた小児科 村田祐一

個人情報保護法は、政治家のスキャンダルと政府にとって不都合な情報を隠すために制定された法律だと私は解釈している。

「重要機密保護法」はスパイ大国日本の状況では日米安保条約を結ぶアメリカとの情報交換が安全に出来ないので制定された。しかし、現政府は「個人情報保護法」と共に政府にとって不都合な情報を管理するために使っている。福島県県民健康調査の「甲状腺がん」関連情報の詳細は一般研究者には提供されず、独占資料を使い福島医大関係者の一部が学会発表に使っている。政府見解と矛盾する「甲状腺がん関連情報」もあるが、詳細は提示されず充分な検証は出来ない。政治家のスキャンダル報道は「文春砲」で報じられているが、明らかに減少した。

一方、個人情報保護法施行後も自宅電話に「東京のマンションを買ってサイドビジネスしませんか」など迷惑電話が今もかかる。政治がらみではなく些末な事として取り締まる対象ではないようだ。医療に携わる者として一番困るのは「金沢市内に麻疹が発生したので関係機関は注意ください」との広報があっても的が絞れず、「どこから鉄砲玉が飛んでくるのか判からず、流れ弾に当たってしまう」恐れがある。このことで保健所に「せめて校区だけでも教えて欲しい」と要望したが、「個人情報保護法」があり教えて頂けなかった。保健所が法律には逆らえないことは自明の理ではある。法に逆らい具体的発生地区を公表し、「いじめが発生」すれば責任を追及されかねない。

今回のcov19禍でも同様に、患者さんの具体的な場所、症状などが医療機関で共有できず、患者の発見、蔓延防止の遅れになった。富山県と石川県ではかなり解釈、運用方法が異なり、富山では詳しく報道され、医療関係者の役に立っている。知事など各県上層部の考え方の違いによるのだろう。国民目線での法律運用で効率的コロナ対策をして欲しい。そのためには個人情報を守れる医療関係者内部での連絡網を使い、必要最小限の情報共有が大切と考える。法に縛られた中、石川県をはじめ保健所はじめ関係医療機関の方々の日夜を問わず国民の健康を守る姿に感謝です。

話は戻るが、「もりかけさくら」の今後は?司法も安倍氏に忖度する最高裁判事が多く任命され、日本の3権分立が危うい。立法府は誰のために法律を制定しているのか?与党が政権を運営し易いように行うのは良いが、国民の為を前提に行って欲しいものだ。法律運用を任された知事など行政の各組長が専門家を尊重せず感染拡大している現実に接し、その一部の組長の資質を疑問に思う。自民党総裁と総理が替わろうとしているが、情報操作と人事権掌握による政治姿勢に変化はないだろう。

いま日本は立法、行政、司法を国民の手に取り戻す大きな努力が求められているようだ。

会員の皆さまのコロナ禍での鬱々とした気持ちを和らげるため、写真を添付します。

秋の七草フジバカマで休むアキアカネ 。
瀬女の「アサギマダラ空の駅」で撮影したものです。
先進国では使用に警告が出されているネオニコチノイド系農薬でミツバチと共に激減した赤とんぼ!
日本では規制されずに使用され続けています。後世に残したい風景です。




★ご案内★
本投稿に載せきれなかった内容は、石川保険医新聞2021年10月号連載「原発・いのち・みらい」に掲載予定です。併せてお読みください。