石川県保険医協会は9月4日、能登半島地震対応における医療提供体制に係る要望書を石川県に提出しました。
要望項目は、(1)医療保険における一部負担金の免除期限(9月末)の延長を国に働きかけること、(2)奥能登公立4病院の存続と機能強化、(3)民間の医科歯科医療機関の復旧・存続のための県独自の補助施策等の創設や、なりわい再建支援補助金の申請支援や要件緩和等の3項目です。詳しくは要望書(PDF)をご参照ください。
当協会からは三宅靖会長、工藤浩司事務局長、小野栄子事務局次長が出席し、石川県側から健康福祉部医療対策課長、地域医療推進室次長、商工労働部経営支援課専門員に対応いただき、意見交換を行いました。要望に対する石川県の見解は以下の通りです。
(1)一部負担金の免除期限の延長
国は保険者に対し意向調査を実施中で、その調査結果をとりまとめて判断予定。県はその判断を待っている。
(2)奥能登公立4病院の存続と機能強化
現時点では復旧・復興が最優先。復旧・復興を遂げた段階で再編等の検討に入るという2段構えで考えている。
(3)民間医療機関復旧・存続のための県独自の補助施策創設、なりわい再建支援補助金の要件緩和
県独自の補助施策については、皆さんのご意見を聞いて何ができるか検討していきたい。
なりわい再建支援補助金については、確かに制度はわかりにくいし提出書類も多く、県の説明不足があることも認識している。財産処分制限については必要以上に怖いイメージが先行しているが、転売して利益を得るような悪用防止のために法律上設けられたルール。例えば、高齢で後継者に継承する場合は返納する必要ない。また、経営困難で閉院する場合は、経営状況を見て返納を求めない場合がある。売却した場合でも補助金全額の返却を求めるわけではなく、「売価×補助率」が返納額となる。要望があれば、医療機関対象の説明会に出向くことも可能。
※ なりわい再建支援補助金の財産処分制限について、県側から「高齢で後継者に継承する場合は返納不能」との例が示されましたが、保険医協会からは、「能登地域では後継者がいないことが大きな課題である」ことを伝えました。また、財産処分制限で返納を求めない場合について、過去事例を多く紹介してほしいと追加で要望しました。
今回の要望書提出にあたっては、保険医協会が現在実施してる「能登半島地震 復旧・復興 会員アンケート」の中間報告概要(要望書PDF 3~4ページ)も紹介し、被災された会員から届いたばかりの生の声を県担当者に届けました。
今回の県交渉に関する詳細報告は石川保険医新聞10月号に掲載予定です。